コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2009 11 20
日本ではあまり報道されないが、イタリア国内では余りにもイタリア的な事件が起きている。一月ほど前、ローマのあるラツィオ州の州知事マラッツォが辞任した。トランス、性転換売春婦(夫)のところで携帯で撮られたビデオに彼の姿が写っていて、それがマスコミによって流されたからだ。マラッツォの政治家としてのクリーンなイメージと、その事実の落差に人々は驚いた、とは言え、まあ首相のベルルスコーニが自宅に"エスコート"を招いてパーティーをしていたなんてニュースでもう大分、政治家のこの手のスキャンダルには慣れっ子にはなっているが。そこまでは、驚くというほどの事でもないのだが、昨日、そのマラッツォの相手であったトランス、性転換者が彼女(彼)のアパートで焼死体で発見された。まだ、警察はそれが殺人であるとは公表していないが、時間の問題だろう。誰もが考えるのは、このトランスの口を封じる必要があった人間がいて、それが何らかの権力をもっていて、それが何らかの闇の権力・いわゆるマフィアに繋がっていた、ということだろう。
イタリア的といえば、下に添付したビデオ(くれぐれも殺人の映像なので)事件も、イタリア的だ。ナポリの商店街で起きた、マフィアがらみの殺人事件。喫茶店、バルの前に立つ男を冷静沈着にピストルで撃ち殺す。周りにいる人々は何事も無かったかのように、している。荷物を店に納める男、買い物途中の主婦、子供を抱えた若い父親、歩道に横たわる男を一瞥するだけで何事も無かったかのようだ。ビデオには写っていないが、この後も誰も騒ぐ事もなく、遺体の上を通行人がまたいで歩いて行く場面を見た。ナポリで生活していくためには誰もが「何も見えず・聞こえず」という原則を貫かなければならない。観光で訪れる明るい、親切で楽しいイタリアにはこのような現実があるのも事実だ。
ちなみにビデオでコメントをしているのはロベルトサビアーノという若い作家で、つい数ヶ月前にゴモッラという映画で知っている人もいるかもしれない。ナポリのマフィアは、正確にはカモッラと言う。マフィアはシチリア、カモッラはナポリ。サビアーノはこのナポリの暴力を告発し続ける勇気ある作家のひとりで、カモッラからは殺しの脅迫、宣告を受けている。
事務所で働くイタリア人の女性は、「ああ、何てイタリアは嫌な国なの!」と言っていた。
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by kimiyasu-k | 2009-11-21 14:21 | 生活・vita | Comments(0)