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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2011 01 06 NESSO
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ELENA CON CUFFIA 水泳帽子をかぶったエレナ GIUSEPPE BERGOMI



写真のこと。このジュゼッペの黒いブロンズの彫刻の写真は何度挑戦してもうまく撮れなかった。ようやく何とか納得できる写真が撮れた。こうして撮れて見れば簡単な話だが、彫刻を浮き立たせるために背景をぼかすこと、彫刻の頭部にピントをしっかりと合わせて明快な画像とすること、もうひとつは光の位置を正しくすることだ。この写真では背中の背後にある窓からの比較的強い側光と正面に写しこんだ窓からの弱い逆光の二方向からの光が彫刻を浮かび上がらせている。ちょうど天気が悪く光が柔らかなことも重要で、黒い彫刻は、強い光の下ではコントラストが強くイメージが強烈になりすぎる。もちろんこの写真は、シグマのDP2でRAWファイルで撮影したもので、コンピューターで現像している。その際に、コントラスト、フィルライト、露出などを様々試し、黒い彫刻の体にあたる光の量と、明暗の配分を調整して、彫刻のもつ塑像性を最大に表現できるようにした。正面の窓からの逆光を利用することで顔の輪郭、胸の膨らみが光の線で表現されていて、これは偶然見つけ出したライティングだ。それにしても、シグマのPD1、PD2はピントはなかなか合わないし、使いにくいし、RAWで撮影しないと全くどうしようもない写真しかとれないが、本当に面白いカメラだ。このカメラに興味のあるひとは、シグマのアートディレクターをしているFUKUI SHINZOさんのブログを読むと面白い。
そして何より写真に大事なことは、写すものが好きであるということ。どこか遠くを見つめているような、このエレナの彫刻が好きだ。
by kimiyasu-k | 2011-01-07 01:34 | 生活・vita