コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2011 02 16 NESSO
寒さは緩んだものの、ここ数日、雨が続いている。湖畔の家から364段の階段を登り、国道にでた真正面にこの古ぼけ消えかけた「ALBERGO-RISTORANTE お宿・お食事どころ」の表記が見える。もちろん今ではホテルもレストランもやっていない。一体何十年前に書かれたものか知らないが、まだ交通の便が不便でこんなに車が普及していなかった時代には、10キロ、20キロ移動するだけでも一日仕事で、こんな宿を泊まり歩いて旅をしたのだろう。コモ湖畔の村ではよくこの消えかかった「お宿・お食事どころ」という看板に出くわす。そう言えば、大昔、九州を旅した時に、一体どこの町かもう覚えていないが「朝日館」という傾きかけた小さな木造二階建ての本物の安宿に泊まった。磨り減った畳の上に敷かれたすえたような臭いのする煎餅布団に入った時には「惨め」を通り過ぎて、まるで異世界に飛び込んでしまったような何か楽しい気持ちになった。とは言え、もう二度とあんな節約は止めようと心に誓ったものだ。きっと、このネッソ村の宿もくたびれ果てたマットレスにペンキの剥げた壁、雫がとまらない蛇口、の「朝日館」のような宿だったのだろう。
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SIGMA DP2
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by kimiyasu-k | 2011-02-16 21:19 | Comments(0)