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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2011 06 15 SHIZUOKA  免許証の更新
日本に来ると丁度、免許の書き換え。静岡に日帰りで行ってきた。イタリアでの免許の書き換えは、免許の書き換えだけに限らず全てのことに馬鹿のような時間がかかるのに比べて、全く日本の警察を含め役所のサービスの早さには驚く。ぱっと、視力検査をして、写真を撮って、15分もすると新しい免許証ができている。こんな国は世界中どこにも無いのだから、こういう技術、役所仕事を素早く片付ける、そんなサービスを世界に輸出したら良いのにと思う。とは言え、目の検査のあと5分ほど待たされて、ふと気がつくと目の前の用紙記入デスクの下に、これも世界の中で日本にしか見ることが出来ない「標語ポスター」が貼ってある。「安心を光で届ける反射材」。これがかの有名な椎名誠、が大嫌いな、標語かと、まじまじと眺めてしまった。イタリアでこんなことをしたら、逮捕されると思うが、日本の警察の危機管理というのはこんなもので、写真を一枚撮ってしまった。確かに何かすごい、只ならぬものを感じる。とりわけ、このポスター、女の子の頭のリボンと、背中の絆創膏みたいなのと、二つの踵に反射材が黄色く光り輝いていて、おまけに反射材の字が大きくピカ。何か宇宙人が駆けているみたいだ。よく見ると、「内閣府特命担当大臣賞 受賞作品」と但し書きもある。ということは、「公募」から選ばれた最も優れた標語ポスターということだろう。特命担当大臣ってなんだろうという疑問はさておき、このポスターを作ったメンバーのひとつ、全日本交通安全協会というのが、また曲者だ。免許の書き換え費用の中に、スッと波風立てずに忍び込んでくるのがこの財団法人。確かに小学校の交通安全教室や様々な安全広報をしている団体で、それはそれでもちろん交通安全に何らかの役にはたっているのだろうが、会員になります、早い話が「金、払います。」と意思表示すれば、なんとこの光輝く「反射材」でできた、熊の可愛いキーホルダー(それも白と青の二種類から自由に選べる)をプレゼントしてくれるのだ。壊れた録音テープのように無味乾燥にお話している若い女性の担当者にGRAZIEと言おう思うと、まだプレゼントは終わっていなくて、何と4色から自由に選べるバックもプレゼントしてくれるという。ちょっとまってくれ、こんなものもらうために交通安全協会に資金提供しているわけじゃないぞ、やっぱりこういう財団は、結局天下り組織以外の何物でもないぞってことを宣言しているようなものじゃないか。
おまわりさんに行くとキーホルダーとバックがもらえる国なんて世界中、どこ探してもない。かなり変態的に異常。お役所の窓口業務が効率的でとても早いのはありがたいが、キーホルダーとバックは自分が好きなものを買いにいくので、ほっといてもらいたい。
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by kimiyasu-k | 2011-06-15 22:55