コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2011 08 11  トラーパニ・・・ コモ
イタリアに来た翌々年、1990年の夏、バカンスにシチリアを訪れた。と書き出して、当時のことを思い出した。購入した家の改築工事をしてもらったピエトロというムラトーレ(壁職人、左官屋、石工)、日本では大工にあたるのだが、そのピエトロがシシリー島の西の端、トラーパニという街の出身で、夏に帰るということで、一緒に行った。トラーパニまでの列車の切符をコモの駅に買いに行くと、窓口の駅員が、イタリアでコモから一番遠いトラーパニまで買うのか、言ったのを覚えている。日本なら稚内から鹿児島までの切符を買ったようなものなのだろう。トラパニーまで確か22時間ほどの夜行列車の旅は果てしなく、日が明けた頃、メッシーナ海峡を連絡船でシチリア島に列車ごと渡ったのが印象的だった。コンパートメントと呼ばれるヨーロッパの長距離列車に特徴的な個室には、バカンスでシシリー島に向かう人々が乗っていた。シシリー島に入ると人々は一人づつ降りて行った。エオリエ諸島に行くという若い子、焼き物の街、サントステファノでは白いワンピースに大きな帽子をかぶった独身の中年女性がおりていった。そしてトラパニーまで100キロほどのパレルモの駅に降りた。そこからトラパニーまで列車を乗り換えたのか、バスに乗り換えたのか今となっては記憶がない。
トラーパニに着くと一週間、ピエトロは思いがけないほどのもてなしをしてくれた。セリヌンテの古代遺跡、丘の上のエーリチェの街、実家での毎日のご馳走、イタリアにきてまだ「人との付き合い」を知らないことを良いことに、今思えばすっかり甘えてはじめてのシシリー島を満喫した。トゥーホと呼ばれる非常に柔らかい石で作られたシチリアの建物は、コモやミラノで見慣れた煉瓦や石でできた家とは全く違った姿で、どこか限りなく暖かいシチリア人のような建築たちだった。
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1990年 シシリー島 nikon kodacrome
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by kimiyasu-k | 2011-08-11 17:18 | 生活・vita | Comments(0)