コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2011 09 18 NESSO キャノンのファインダーカメラ
d0104210_13233729.jpg
sigma SD15 50mm F1.4
今では誰も使わなくなってしまった言葉「軍艦」、みたいなカタチのキャノンのファインダー式カメラ。カメラの頂部にはシャッタースピードや絞り、ファインダーなどが所狭しと配置され、戦艦の甲板の様相を呈していて、軍艦部と呼ばれていた。50年以上前に親父が買ったものを先日、修理屋さんで調整し直し使えるようにした。使い捨てのこの時代にまだカメラ修理屋さんが静岡の実家のすぐそばにあったのは驚きだ。今でこそキャノンは世界のカメラトップメーカーとして名を馳せているが、このカメラはライカの完璧なコピーだ。1950年台、戦争の記憶も新しく、まだ日本の急激な経済成長の始動期で、今でこそ知的所有権だ、オリジナリティだと騒がれるが、当時はそんな事は微塵も問題にされなかったのだろう。驚いたことは当時、職工の給与が6000円でこのカメラは60000円以上したことだ。今で言えば100万円以上という計算になる。もちろん社会の経済力そのものが当時とは全く違うので、こんな単純な換算は成り立たないのだが。たかがコピーと言えどもこんな高価なカメラを国内で売りアメリカに輸出していた事は、その後の日本の経済発展の前触れだったのだ。それにしても、主力を一眼レフへと乗り換え世界を支配して行ったキャノンやニコン、それに対して頑なにファインダー式カメラを作り続けたドイツのライカ。日本メーカーは高性能カメラを廉価に世界中に普及したけれど、何故か今になっても、カメラの作り出す「写真」はライカを超えられないのは象徴的だ。50年前の模倣ライカ、キャノンのレンジファインダーカメラ、2011年のイタリアで一体どんな写真が撮れるか楽しみだ。
[PR]
by kimiyasu-k | 2011-09-18 13:24 | 生活・vita | Comments(0)