コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2011 11 09 COMO 仕事場
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オフィスというと何となく鉄筋コンクリートの、ちょっと味気ない空間を思い浮かべるが、ここが仕事場です。左側の壁はおそらくルネサンスの頃、右側の壁はおそらく1700年台に作られたもので、改修工事をしたときに壁紙の下から3,4層の壁絵が出てきたので、それはそのまま保存することにした。床の素材は見たことも無かった二色の土を練り焼いた、煉瓦板、テラコットでおそらくこれも1700年代のものだろう。購入した際には今にも底が抜け落ちそうな床だったために、このテラコットを一度一枚づつ剥がし、スラブ(と言っても木の梁と板の上に砂を引いたもの)を強化するために既存の板を型枠として鉄筋、メタルメッシュで厚さ5cm程度のコンクリート板を打ち、その上にテラコッタを張りなおした。テラコットは2,300年経っており、結構な数が壊れていたために、同じものを他の改装現場から探しだして使った。テラコッタの仕上げは、研磨機を現場に持ち込み水磨きをした。天井は、根太格天井だが、これも白いペンキが何層にも何層にも塗られてたために、サンドブラスト、砂を高圧で吹きつけペンキを剥がし、木の生地までもって行った。木の仕上げは、亜麻仁油、を塗布した。既存のドアも同じ処理で、自然の木目を蘇らせた。
壁のモルタルを剥がすと、綺麗な石積み、煉瓦積みがでてきたので、一部それを表わしとして残している。真正面のシンメトリーに開口のある壁は全くの新築で、床に加重が掛からないようにH型鋼を入れ上から吊っている。左側、奥が入り口で、このドアも既存のもの、ペンキを剥がして、セラックニスで仕上げ、ワックスをかけている。
家具類もほとんどが骨董品で、テーブルは1800年代の修道院の食堂で使われていたもの、右の書類入れは、知り合いの大工が捨てるというのでもらってきた1930年代のオークの家具だ。
もちろんここは打ち合わせ、作業スペースで、カメラ側、こちら側には新しく作ったデスクやらイケアで10000円くらいで買ってきた本立てなどが並んでいる。
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by kimiyasu-k | 2011-11-08 02:26 | Comments(5)
Commented by court_bouillon at 2011-11-10 13:29
素晴らしいですね。
じーっと見つめてしまいました。
指でなぞってみたい質感です。
奥行きを眼で追いかけてしまいます。
写真にしても、建築にしても、絵画にしても。
すべては床と壁から始まっていると、いつも思っているので。
光までもが、丁寧に吟味されているように思えます。
Commented by kimiyasu-k at 2011-11-11 02:46
ありがとうございます。古ければなんでも良いわけではないのですが、なかなか新らしいものではかないません。設計するものにとってはジレンマです。/ bouillonさんの写真は、透視図的な風景はもちろんですが、花の写真もとても空間的で構造の明快な「建築的」な写真でいつも感心しています。
Commented by smiletokachi at 2011-11-13 19:27
いいですね。理想のカタチがあるような気がします。
モノの歴史スケールが桁違いですごい。
H鋼で「吊ってる」ってどんなのか想像が膨らみます。
Commented by smilegarden at 2011-11-13 19:32
すみません。上のコメント違うニックネームで投稿してしまいました。
ごめんなさい。
Commented by kimiyasu-k at 2011-11-21 14:39
コメントありがとうございます。福島の修道院が壊されるという話を聞きました。イタリアは国中がこんな歴史を持っていて大事にしているというのは、やはり豊かさなのかもしれません。