コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2013 02 08 はりがね
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NIKON D3000 55mm F1.2
そういえば、建築にはもうひとつ大きな見方がありました。それはデヴィットワトキンが近代建築を批判して論評したことですけど、建築を建築以外の何物か、他の何かで説明しようとすることです。例えば、機能主義なんてのもそうですね。こういう機能をもっているからこの形は正しいんだ。下世話なレベルでは、北側斜線制限があるからこういう形になるんだ、という説明なんかです。でも、そういうのは、結局、言い訳、アリバイ作りに過ぎないと。
そう思って考えると、今の建築ってのは、潮流建築のことですけど、あまりアリバイ作りはしていないように思えます。もうそれはファッションと同じで、こんな形、素材が面白いんじゃない、って作っていて、ほとんど建築の「姿」以外の何かを問題にしているってことがない。ファッションショーでモデルが優雅に美しい服を着て颯爽と歩くように。
ところがやっぱり日本の街なんか見ると、建築以外の何かが街の醜さを規定してしまっているという事実に気付きます。例えば電線なんてのもよく街並の醜悪さの筆頭にあげられますが、あれはやぱり日本の電力業界が独占的であることの現れだと思います。今問題になっている送電分離を行えば、電線はすぐ地中に埋めることができるかと思います。アルミサッシなんてのも、認可制度と結びついた独占的なもので、これも街並を規定している要素です。例えば準防火地区で、自分の好きなサッシを使おうとしてもほとんど、不可能という現実がまっています。
話が飛んでしまったけど、結構建築は「政治」によって出来上がっていることがあるように思います。東ヨーロッパに行くと、社会主義時代の建築がもつ独特の雰囲気に引かれるのですが、きっと時代が経ってみれば、今日の政治とは何ら関係ない、少なくとも建築家は何ら意識していない潮流建築も、恐ろしい程、今日の政治、経済システムと結びついているのではないでしょうか。
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by kimiyasu-k | 2013-02-07 23:10 | Comments(2)
Commented by 高橋洋一郎 at 2013-02-10 10:11 x
同意
5~7行はうまく突き止めていて頭いいです。とても感心。
あからさまにして微妙すぎるところをだれも言葉にできてなかった。先日も東工大院を出たばかりの人と話したけど…。
このようにたった三行のエッセンシャルじゃなきゃ誰の力にもなりゃしない。
ありがとう。
Commented by kimiyasu-k at 2013-02-11 02:37
何となく褒めて頂いたみたい。ありがとうございます。でも、古典物理学ってf=maでこの世を表現しちゃってる。そこまで単純化しないと、理科系単純頭には、魑魅魍魎の闊歩する不可解この世は理解できないし、納得できない。というだけで、オツムのメモリーが少ないだけです。