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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2014 09 01 前菜
まだ行った事の無い,別に観光地でもない街,アンノーネとオッジョーノに裏山を超えて,と言ってももちろん車ですが,いってみようと,まずはティバーノ高原まで上がり,そこにある食堂で腹ごしらえをしました。いつもの通り,180度以上曲がってしまったへそ曲がりで,道沿いの駐車場に沢山車の停まっている評判の良いレストランは嫌だと,あてもなく脇道を上がって行きました。車が何とか一台通れる林道のような道を数キロ上がって行くと,昔の農家を随分モダンに改造した民宿がありました。そこで食事ができるか聞く為に車から降りると主人が寄ってきてレストランはあと一キロくらい登って行くとあるよと,教えてくれました。更に狭くなる道をしばらくローギア(イタリアはほとんどまだマニュアル車です。)で何とか登って行くと,それらしい建物がありました。何やらテーブルの用意をしているおじさんに「食事できる」と聞くと,「できるけど1時からだよ」と返事がありました。あと30分くらい時間があります。車を置いて,この気持ちの良い高原を30分ほど散歩しました。牧草は,この季節は奇麗なお花畑に姿を変えます。背の高い枯れかかったアザミがのびていました。しばらく行くと,白樺の急傾斜の林には,羊も何匹か姿を見せました。犬の激しい鳴き声が聞こえて来ます。そろそろ時間かと食堂に戻ると,もう2組の客が席に着いていました。牧場を本業とするとても愛想の良い主人と料理好きの奥さんの経営するこの食堂は,「家庭料理」と書いてあるように素朴で正直な料理でした。何も頼まなくても出て来た前菜は,自分たちの作ったチーズやサラミなどで,この辺りでは当たり前の料理ですが,何故かとても美味しく感じました。
と,まるで小学生の夏休み,宿題の作文のように書くのが相応しいような食堂だった。それにしても,こんな林道の突き当たり,誰も通らない場所で,「食堂」をやっているのだから,もう279度くらいヘソの曲がっちゃった御夫婦なんだろう。上には上が居るもんだ。
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EPSON R-D1 COLOR SKOPAR 35mm F2.5
by kimiyasu-k | 2014-09-01 02:34