コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2014 10 09 粋
ビニール袋を下げたお爺さんが,すれ違う時に「お前達は日本人か,ちょっと本を見せてあげるから」という。昔,お母さんから,「知らない人に声を掛けられてもついて行っちゃあダメだよ」とは教えてもらわなかったから,ついていった。この街にあまり相応しく無いアルミのドアを開けると中は小さな木工房だった。おもむろにオリーブの木でつくった大きなスプーンと一冊の日本の雑誌を台の上に広げると,そこにはこのおじさんの店が小さく紹介されていて,一生使えるオリーブの木で作ったジュゼッペさんの手作りスプーンとある。商売熱心なおじさんが,日本人の活字妄信雑誌全面信奉の性格を良く知っていて,自分の作ったすばらしいスプーンを売ってあげようと思った訳だ。引っ掛かったと思ってじゃあ,と言ってさよならするのは余りに「粋」じゃあ無い。折角だから素直な日本人を演じることにしよう。それにこのジュゼッペさんだって,この歳まで毎日毎日オリーブの木でスプーンを作り続けてきたのだから,日曜日の今日,幸運にも1本のスプーンが売れれば,孫にお菓子が買ってあげられるじゃないかと思い,ちょっと無理して買って上げる事にした。ジュゼッペさん,それでも木のスプーンが1本18ユーロはちょっと高過ぎますよ!
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EPSON R-D1 COLORSKOPAR35mmF2.5
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by kimiyasu-k | 2014-10-10 06:18 | Comments(0)