コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2014 11 24 クリュニー派修道院,サンピエトロの廃墟
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Epson R-D1x Biogon 28mm f2.8
14世紀に見捨てられたクリュニー派修道院の鐘楼と内陣の廃墟は,1078年に建立されたサンピエトロとサンパオロ修道院。コモ湖北から東に延びる大きな谷,バルテッリーナ谷に入ってすぐの村,ヴァッラーテの丘の上に立っている。印象的な四角錐の鐘楼屋根はバルテッリーナに特徴的な類型で,コモ湖に散在するロマネスク教会の緩い勾配の寄せ棟屋根とは明らかに違った意図を持って立てられたのだろう。北に行く程、屋根勾配が急になるのは民家でも同じだけれども,それが単に雪のため,というには余りに意匠的に洗練されている。コモ湖のロマネスク教会の鐘楼がより細く,より高く,窓は一般には三層に開けられているけれども,このバルテリーナ谷に入ったサンピエトロ修道院の鐘楼は,あたかも意図的に高さを押さえずんぐりとしたプロポーションに,愛嬌のある尖り屋根が掛かっている。また丸い内陣外壁,軒下,足下には石積みにしては繊細と言ってよいほどの装飾帯が廻り,それが屋根の剽軽な形と上手に呼応している。あまり本などに取り上げられることのないこの教会だけれども,はじめてみる者を感動させる魅力を持っている。列柱廊のある中庭は一体どんなだったろうと,思いがめぐる。
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by kimiyasu-k | 2014-11-24 03:47 | Comments(0)