コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

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EPSON R-D1 NOKTON40mmF1.4

ほとんど義務だと思う。3月11日に何かを考えるのは
2011年の3月11日、地震、津波のニュースをイタリア帰国直後、友人から知った。その直後、フクシマの現実を知らされて、震撼した。インターネットで得た情報は、電源が完全に失われてしまっていること、収納容器の圧力、温度が設計想定の2倍に達していることだった。工学を齧ったものなら誰でも、その事の重大性は分かると思う。一体、原子炉格納容器はどれほどの安全率を見ているのかしらないけれども、建築物は少なくとも1.5倍の安全率しかみていないのだから、2倍という数字のもつ意味は、薄々感じることができる。まるで、巨大な核爆弾の導火線に点火されつつあるようなイメージだった。
原子力発電に関しては全くの素人だけれども、ずっと以前から興味があったから、何が起こっているのかは、大体想像ができた。今考えれば、全くの思い違いだけれども、電源さえ戻れば冷却ができるという期待と、核爆発が起きないかという恐怖感が入り乱れていた。専門家の中には、原発は核爆発などは起きないようにできていると主張するものもいるけれども、そんなものはウソであることも薄々分かっていた。
だから、本当の専門家に確認すれば、答えは「今すぐ起きるようなことはなくとも、メルトダウンによって局所的にウランの濃度が高くなるような場所が生まれれば、その可能性が全くないとは誰にも言えない」ということだった。
狐につままれたような思いだった、東京の人たちが皆、「平穏」に暮らしているのが。
その時点では、4号炉に蓄えられた使用済み燃料の気の遠くなるような「量」に関しては、ほとんど気にしていなかった。今思えば、本当の危機は、4号炉の大量の使用済み燃料にこそあった。仮に4号炉に何も起きなくとも、1、2、3号炉に何かが起きれば、そこに人が近づく事はできなくなり、その結果として4号炉もどうしようもない状態になる。最近になってようやく、メルトダウンが,などということを言っているけれども、専門家、すくなくとも原発に関わる人たちの間では、それはもう自明の事実だった。
5年が経ち、分かったことは原発をひとつの「技術」として捉えることは、間違えであり、原発はそれをとりまく人間活動を全て含むひとつの「文化」だということだ。そこには安全保障や利権、エネルギー、地域社会、健康など全てを含む。
いつまでたっても、エネルギー生産のひとつの技術としてしか議論されない「原発」だけれども、ひとつの「文化」として原発をみていけば、全く別の様相が見えて来る。
何故かこの文化としての原発は、為政者、利権者、行政だけが、独占的に決定、運営をしているけれども、このような文化の担い手は、電気を使う我々にあるのであって、権力者の手に全権委任してしまうのは余りに愚かとしかいう他ない。

発展途上国とは違い,技術的に成熟した日本は,原発など稼働させなくとも,別の方法でエネルギーを確保できる程度には優れた国だと思う。ただ単に社会的な意思決定のメカニズムがかみ合わないだけであり,結局は数字遊びに終わってしまう技術的な側面の「安全性」を議論する以上に,「社会的な意思決定」のメカニズムを問題にしなければならないと思う。


日本人は,5年もフクシマを抱えていれば,「放射能汚染」に慣れてしまっていることに気づかない。
福島の方には酷だけれども,もし事故が無くて,日本にチェルノブイリ産の米が輸入されたとしたら,日本人はそれを買って食べただろうか,と考えてみれば良い。チェルノブイリと福島では汚染の度合いが違うというだろう。でも世界はそういう目では見ていないという事をもっと自覚するべきだ。問題は,汚染の程度がどれほどかという事実ではなく世界がそのように「解釈」しているという事実だ。それを風評被害だというのは簡単だし,随分「都合の良い」考え方だ。イタリアで誰かに「これフクシマのお米で作ったリゾット」,と供すれば誰も食べてはくれない。当たり前だ。どんなに科学的なデーターを提示して汚染が許容範囲にあると力説しても,そんな事が問題ではない。そんな世界の「感情」を「風評」と言ってあたかもそのような感情を持つ者が「悪」であるかのように考えるのは的が外れている。犬が怖い人にとってはおとないしい犬も兇暴な犬とどうよう「怖い」のでありそれは科学的データーの問題ではなく「心」の問題であるからだ。

期しくも高浜は司法の力によって停止したけれども,もうひとつのフクシマを作らない為にせめて,5年経った今日,誰もが原子力発電所の再稼働させないと「決める日」であって欲しいと思う。
















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by kimiyasu-k | 2016-03-11 18:13 | Comments(0)