コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2017 01 26 くやしい
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アメリカの新しい大統領に世界が振り回されているという感じがして「悔しくて」しかたがない。アメリカ以外の国が一致団結して、立ち向かえば、こんなに振り回されることは無いんじゃないかと思うけれども、それは野党連合が難しいのと同じで、ほとんど不可能だ。選挙前は気違い沙汰と評価されていた大統領も今では、グローバル自由経済の限界を示した新しい変化として、むしろ好意的に語られる、語ろうとしている風潮がどうもして納得がいかない。確かにリベラルはTPPには反対だし、企業が労働力が安いからと外国に生産基地を置き地元労働者が失業するのにも反対だし、と夫々の政策をみていけば、「同意」できる事が沢山ある。でも、何かが違う、どこか違和感を感じるのは自分だけじゃないと思う。それはおそらく何よりも新大統領が、時計の針を逆戻りするような、国粋主義に通じる近代国家主義を標榜しているからだと思う。言って見れば第二次世界大戦前の「国家」概念に基づいた国家運営をしようとしているからだ。一体、戦後70年の歴史は何だったのかという事になる。いつかは植民地政策でもはじめようと言うのだろうか。(戦後ずっと植民地のような国もあるけれども)
そしてどうもこの新しい大統領に違和感を感じるのは,経済政策の更に上位の何ら新しい価値観の提示が無いからだ。人類は長い歴史の中で、自由や人権、共産主義,民主主義、といった新しい理念、価値観を獲得してきたのに、そしてグローバル化が行き詰まった現在,新しい価値観が求められているのに、世界を支配する国家の首長が何ら新しい理念,つまりこれから向おうとする方向性を提示していないことに、違和感を感じているのだ。
だから、勢い様々な政策を括ってみて行けば,そこにあるのはもう古くなった近代国家という概念の中での「権益、覇権」という事になる。言ってしまえば新しい大統領の理念は「権益」だ。そう思えば,藩属国の首相が、まだ任命されるまえに馳せ参じた事も,言い掛かりをつけられた自動車メーカーの社長が恐れおののいて,みかじめ料を約束したのも合点がいく。
経済、権益は大事だけれども、「愛」みたいにもっと上位の理念のことを考えてくれるリーダーじゃないと、みんなが幸せになるような世界にはならないんじゃないかなあ。


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by kimiyasu-k | 2017-01-27 06:28 | Comments(2)
Commented by BBpinevalley at 2017-01-29 05:48
残念ながら、あの人にそんな「上位」なヴィジョンを求めるのは無理というものです。
自他共に認める姑息な痴漢男ですから。
近年、共和党の大統領にはお飾り的な要素の強い人物が増えてきましたが、トランプはその極端な例で、能力も経験も何もない人間です。
おそらく最高裁の判事を通らせた段階でお払い箱になるのだと思います。
そうでないと、今の共和党の静かさの説明がつきません。
このまま本気でトランプと同船すれば、一緒に沈没、良くて分裂でしょう。
でも、トランプを掲げて政治を操ろうというのは、賢いつもりかもしれないけれど、近視眼的なで政略に思えます。
人心の反感、反動は必定で、次世代のアメリカ国民の価値観を軽視した浅薄な方針だと思います。
でも、アメリカにはびっくりするほどの田舎者が多いですからねぇ〜
なんとも言えない部分も残ってはいますが…
Commented by kimiyasu-k at 2017-01-30 05:00
「政治理念」なんて言葉はもう20世紀の遺物で、今時そんなものは流行らないという事なのでしょう。それにしてもアメリカ人を知らないのですが、アメリカには「恥」みたいな概念は無いのですか。他に選択肢が無かったとは言えともかく選んだのは「国民」なのですから。(日本国も同じか)イタリアや日本のような「辺境の国」なら良いのですが,覇権国家がこうだと世界中が振り回されてしまいます。