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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2008年7月13日 日曜日 くもり、雨
夜十時ごろ、隣に住む友人のところに遊びに行く。釣り仲間が3人来ていて、食事のあとの雑談をしている。イタリア人の会話の中に入ると、必ず出る話が、日本の捕鯨だ。
どうして、日本は捕鯨をするのか。鯨の肉はどんな味がするのか。個人的には捕鯨には反対の立場を取っているが、日本人の大多数が捕鯨に賛成していること、また科学的にはシロナガスクジラは絶滅の危機にあるが、ミンク鯨はその数が増えすぎて生態系のバランスがくずれていて、決して日本が捕獲する鯨で、絶滅の危機に拍車をかけているわけではないことを説明する。政治好きなイタリア人なので、当然話は企業と政治家が結びついた利害関係、言ってみれば捕鯨することによって誰かが利益を得ている、、という話に発展する。
世界の舞台の中で「NO」と言えない日本人は日本人の誰もが自覚している。世界に向かって捕鯨中止に対して「NO」と叫ぶことをし続けるのは、科学的な問題より、経済的な問題より何にもまして日本人のコレクティブな世界の中で自分のアイデンティティを叫びたいという無意識の感情問題なのではないだろうか。
by kimiyasu-k | 2008-07-15 19:10