コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2008年9月21日 日曜日 晴れ
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ことしも、ポレンタの季節がやってきた。昨日、事務所のマルチェッラが休みなのに事務所に顔を出した。コモの街に母親と買い物にきて、事務所に荷物を預けにきたのだ。コモの街はすべて歩行者天国になっているために、かさ張る買い物をすると持って歩かねばならず不便だ。雑談をしていると何故かポレンタの話になった。マルチェッラの家では、ポレンタの粉は毎年、事務所から3分のビスケット屋さんにシーズン始めだけ売りに出す石臼で引いた粉を使うそうだ。買い込んだポレンタの粉を一キロ置いていってくれた。日本人には見掛けほど味のしないポレンタはあまり美味しくない、というところなのだが、このお手製の粉に期待をして今年初めてのポレンタを作ってみる。ポレンタは、パイウオラというこの銅製の分厚い鍋で作る。もともと、暖炉に掛けて使っていた鍋なので、吊るすための手掛けも付いている。が、そこまでやるのは面倒だ。今回はガスコンロにかけて料理する。二人分なので250gの粉を沸騰した水にそそぎ、時々、木のへらでかき混ぜながら小一時間練る。湯気のあがる暖かいポレンタを皿の上にドカッともり食べる。旨い。ほのかにとうもろこしの味がして、香ばしい。あっと言う間に125gのポレンタをたいらげてしまった。ポレンタは料理の中では日本食のお米に相当するもので主食といった感じだ。普通はブラザートという煮肉やサルシッチャというイタリアソーセージ、ポルチーニというイタリア松茸といっしょに食べるのだが、今日は手抜きで農家から買ってきたチーズといっしょに食べた。鍋にはポレンタが焦げ付く。これがまたおいしい。パリパリに焦げ付いたポレンタは、水をさっとかけてしばらく置いていくと面白いほど簡単に鍋から剥がれる。メキシコ料理のタコスのようだ。
南イタリア人がポレンタ食い、ポレントーネと言って北イタリア人を見下げて呼ぶ。南イタリアの豊かな食材にたいして北イタリアは食に関しては貧しく(とは言えあくまでイタリア料理の豊かさの中での話しだが)、あんな味も素っ気もないポレンタを美味しがって食べるやつという意味で、北イタリア人のことを言う。20年してようやく自分もポレントーネになることができた。須賀敦子さんの本にこのポレンタのことが書いてあったのを思い出す。須賀さんは40年前にミラノの官舎のようなアパートで食べたのだが。
http://it.youtube.com/watch?v=VVVnbzOHwtQ
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by kimiyasu-k | 2008-09-22 17:48 | 食・mangiare | Comments(0)