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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2010 02 21
クレスピダッダと言う。ユネスコの世界遺産に指定されている歴史的遺産・工業都市だ。19世紀末、クレスピは産業を興すにあたり、ひとつの都市を計画した。工場をはじめ、労働者たちの住宅、教会、学校、集会施設、公園、墓地と、企業家、実業家がそこに働く人々すべてに高い生活レベルを与えるための、極めて社会主義的な思想に基づいて建設された新都市だ。今となっては、労働者住宅はどうみても高級住宅にしか見えないし、工場は、博物館、美術館としか思えない。建築が100年前に比べていったいどれほど、貧しいものになってしまったかという証言だ。写真の労働者住宅には、不動産屋の看板が立っている。「上流階級のリラックス。バカンスの家」、このリッチな家で夏のバカンスを過ごしませんかというものだ。

・クレスピダッダ サイトより引用・
“クレスピ”は、ロンバルディア州屈指の綿織物工場主だった家族の名前です。19世紀末、クレスピ家の人々は、アッダ川のベルガモ県側川岸に建設した綿織物工場の傍らに、モダンな“労働の理想郷”を実現しました。
村は、全く何も存在しなかった土地に、工場主が、工員とその家族のために丸ごと建設した村です。工員たちには、庭と家庭菜園付の一戸建住宅と、必要な全ての施設が提供されました。
この小さな理想の村では、城にすむ主が村の全てを統治しました。“ゆりかごから墓場まで”の言葉通り、工場内はもちろん外でも、まるで父親であるかように、国家の社会保障を先取りし、従業員たちに必要な全てを与えたのです。
村には工場で働く工員だけが住むことができました。工員の生活の全て、村のコミュニティ生活の全体が、“工場を軸に”、工場の都合により、工場のリズムで動いていました。
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by kimiyasu-k | 2010-02-22 01:47