コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

21012 08 11 すごい
ちょっと見には分からないけど、建築の詳細を考えたことのある者にとってはこのディテールはかなりすごい。
階段の手摺が踊り場に来たときには、高さがかみ合わない問題が必ず起きる。踊り場の高さで会わせると階段部分が高くなってしまう。そのために、この手摺は、見事な2回カーブで高さ合わせをしている。ラインが美しい。そして良く見ると、フラットバーと呼ばれる平鋼で作られた手摺は何と階段部分は下半分、踊り場部分は上半分を削り落とし薄くして、重ね合わせている。さらに良く見れば、支柱、また縦棒の固定は、手摺の平鋼にわざわざ穴を開けて、棒材を突き通し、上から叩いて固定している。こんな手摺を作ったことのある人は分かると思うが、現在では、これらの接合部、固定部は、単純な「電気溶接」によって固定するのが当たり前だ。溶接による手間が1とすればこのような鉄を叩いて、鍛えてとめていく方法は5の手間がかかる。こんな手摺を今作ったら、コストは想像もつかないし、こんな加工ができる職人がいるのかも疑問だ。この手摺は何も豪邸の手摺じゃなくて、普通の家に付けられている手摺だ。おそらく1800年台の建物だけれど、一体ここ100年ほどで、建築のレベルはどれほど地に落ちたことか。
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EPSON R-D1 CANON SERENAR 50mm f1.8
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by kimiyasu-k | 2012-08-11 17:03