2013 06 11 腑に落ちない |
ネットを彷徨っていると偶然面白いページにたどり着くことがある。JAXA宇宙航空研究開発機構にきた。ソニックブームという聞いた事の無い言葉。航空機が音速を超える際に発生する衝撃音の事のようだ。この衝撃音を低減する為の技術開発,それがひとつの研究プロジェクトとなっている。全長八メートルの機体を作成し,気球で高度3万メートルまで揚げ自然落下させることによって超音速を作り出しそれを測定する。超音速の飛行機が実現すれば東京とヨーロッパを何と2時間で結んでくれる。とてつもない費用をかけてこの研究がなされている。2時間でミラノから東京までいけるなんてなんて素晴らしい,と思った,かもしれない30年前なら。
全く冗談は止めてもらいたい。コンコルドはすでに就航を止めてしまった。理由は簡単で100万もする航空運賃を使ってパリニューヨークを往復したい超多忙、超ど金持ち人間なんてそう沢山はいないから,つまり儲からないからだ。そこで,まさか日本の研究者は本気でヨーロッパまで2時間で誰もが,庶民がいけるような未来がやってくるなんて思っているわけでは無いだろう。もし,そんな飛行機ができたとしても膨大な燃料を消費するために(単純なエネルギー保存則)航空運賃はとんでもない金額になることは目に見えている。未知の分野をなんとか探ろうなどというエンジニア,科学者の能天気なアリバイはもう通じない。だからこんな研究の本当の目的はどこにあるかと言えば「軍事目的」しかあり得ない。自分も子供のころに憧れていたから解るけど「若者に夢と希望の未来を与える」的な輝く未来のイメージをJAXAは担っているけれど,現実の中でこの組織が向かっているのは,国際社会において通用する「軍事技術」を国家が担保する事だ。もちろん,そのような目的が悪いとは言えない。国際社会の中で日本が発言力をもつだけの国力はこのような軍事力を備えることにより出来るのは事実だから。とは言え,そのような国家的な投資を「夢と希望の航空宇宙開発」というお題目で一般の人を騙すようなやり方で行うのは汚い。しっかり自衛隊の中に軍事技術開発の部門を作り、国民にきちんと説明して納得された上でやるべきだ。なかなか進まない震災復興,原発避難民の救済,貧富の格差がどんどん広がる現代社会で,庶民からすい上げられた税金の使い道として,マッハ5の飛行機の開発はどう考えても腑に落ちない。もっとも、もんじゅに注ぎ込んだ費用に比べればこんなのは耳かき一杯の費用か。
by kimiyasu-k
| 2013-06-11 21:16