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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2014 04 03 ばかにするにも程がある
政府は「エネルギー基本計画」に"次世代型原子炉"の有力候補として「高温ガス炉」の研究開発を推進する事を盛り込む.これはフクシマで事故を起こした現在の軽水炉、つまり水によって冷却、エネルギーを取り出すものとは異なり,気体を冷却剤として利用し,より高温,1000度あまりの温度で熱エネルギーを取り出そうと言うものだ.次世代とは言うものの,実際にはこの技術は半世紀以上も前に,つまり軽水炉がこれだけ建設される前からあった技術で,「諸般の事情」により実用化しなかった技術に他ならない.ほとんど無限にエネルギーを再生産し続ける「高速増殖炉もんじゅ」の夢が崩壊した今,この高温ガス炉が軽水炉とは比べ物にならないほど「安全性の高い」原子炉として、私達の未来に「夢」を再び蘇らせてくれると言うのか.短い文章の中で、技術的な話を細かく書く事はできないけれども、一体どこまで政府は、官僚は,原子力帝国(村というには余りに巨大)は、人を馬鹿にすれば気が済むというのだろう.翼のない自動車が原理的に空を飛べないように、安全な原子炉はあり得ないのであり使用済み燃料,核廃棄物は永久に解決できない問題だ.そんな事は,東海村にはじめて原子炉がつくられる前から,原子炉を作った当の科学者が明言している.今回のSTEP細胞で明らかになったように「科学」が決して理性,誠実,善意の上に成り立っているわけではないことに目を見張らないと行けないし、「金」にしがみつく業界の犠牲になる理由は全く無い.フクシマの事故を起こしたこの後に及んで,まったく人を馬鹿にするにも程がある.原子力安全委員会にとって代わった原子力規制委員会が、結局は名前を変えメンバーの入れ替えを行ったにすぎない事が川内で明らかになった.今本当に必要なのは,原子力そのものの意味,価値を評価するための「原子力倫理委員会」であることを知識人は知っているのにそれが形にならない.
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by kimiyasu-k | 2014-04-03 13:45