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コモ湖畔の書斎から dalla finestra lariana

2015 01 22 本が読めない
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本当に本が読めなくなってしまった,視力低下,集中力低下,無関心という三点セットだ。
久しぶりに塩野七生さんのローマ亡き後の地中海世界を読んで,まあ何てイスラムとキリスト教徒は長い時間に渡って殺し合いをして来たんだと感心してしまった。それも生半可な殺戮というより無茶苦茶な惨殺を老弱男女,一般市民を含めて行っていたんだと。そして考えてみれば自分の一代前の世代,父親の世代は大戦を経験しており,早い話しが2000年,戦争,つまり殺し合いをし続けてきたんだという事をえらく納得してしまった。ある意味今の日本人や,イタリア人は本当に幸運な時代を生きているんだという気がしてきた。
イタリアは地理学的にどうしようもない場所にあるから,様々な人種が混ざり合わざるをえないけれども,日本は幸運にも程よい距離の海で囲まれた鎖国した島国だったから,余り変な人は来なかったし,普通の人を巻き込んで殺し合いなんてことも経験がなかった。それが明治維新以降,言ってみればキリスト教をベースにした西洋文明に参加して,結局、原爆投下,敗戦っという結末を70年前に迎え,その後一見,平和な安定した国になった,かのようだった。だからこの時代を生きられた自分たちの世代は本当に幸運だったと思う。
ISISの拉致事件,身代金の要求ビデオを見ていると,何か現実感が無い。でもそれはやはり現実に起こっている事だし、ヨーロッパに居れば、イスラムの人たちは至る所にいるし、イスラエルとパレスチナの衝突は通奏低音のようにいつもあるし、旧ユーゴの戦争のあとは、イラクやらアフガン、最近はウクライナ、と結局この辺りではいつも火薬の臭いが鼻についている。平和と成長を満喫した自分の世代はいいけれども、若い人たちは、気をつけていたほうが良いと思う。戦後から今までの日本というのは、かなり特殊な時代だったのだから。
by kimiyasu-k | 2015-01-21 14:28